インプラント周囲炎かもしれない?
次のような症状はインプラント周囲炎である可能性があります
インプラントの埋入部位に、痛み、出血、排膿、腫れ、ブラッシング時の不快感 などがある場合、インプラント周囲炎である可能性があります。インプラント周囲炎と診断された方の88.9%が「健康」と認識していたというレポートもあり、自覚症状がある場合は、早めに専門の歯科医に診てもらう方が良いでしょう。
インプラント周囲炎を発症する人は約5人に1人
アメリカ歯周病学会(AAP)が発表したインプラント周囲疾患(インプラント周囲粘膜炎・インプラント周囲炎)の有病率・発症率のレビューでは、インプラント周囲粘膜炎が53%、インプラント周囲炎が22%(約5人に1人)で発症していると報告されています。
| 疾患の種類 | 有病率(ある時点で病気を持っている人の割合) | 発症率(20年間に新しく発症する割合) |
| インプラント周囲粘膜炎 (歯肉・粘膜の炎症のみ) | 46% | 53% |
| インプラント周囲炎 (骨の吸収を伴う重度な炎症) | 21% | 22% |
インプラント治療を受けた患者の半数以上が、10年以上の経過の中で何らかのインプラント周囲疾患に罹患していることが分かっています。
インプラント周囲炎とは?

インプラント周囲炎には、進行状態により症状が異なります。
| 進行段階 | 主な症状 | 状態・特徴 |
|---|---|---|
| 初期(インプラント周囲粘膜炎) | 歯茎の赤み・腫れ | インプラント周囲の歯茎が赤くなり、腫れがみられます。 |
| 中等度(骨の吸収が始まる段階) | 歯茎から膿(うみ)が出る | インプラントと歯茎の境目から膿が出たり、強い臭いを伴ったりすることがあります。 |
| 噛んだときの違和感 | 食事の際に、噛むと浮いたような感覚や鈍い痛みを感じることがあります。 | |
| 歯茎が下がる | 骨の吸収に伴って歯茎が退縮し、インプラントの金属部分(根元)が見えるようになります。 | |
| 重度(骨が大きく破壊された段階) | インプラントのぐらつき | 支えている骨が大きく失われ、インプラントが揺れるようになります。 |
| 持続的な痛み・熱感 | 何もしなくてもズキズキとした痛みや熱感が続くことがあります。 | |
| インプラントの脱落 | 骨による支持を失い、最終的にはインプラントが自然に抜け落ちることがあります。 |
インプラント周囲炎になる主な原因
① メインテナンスを怠ってしまった
インプラント周囲炎で来院される患者さんの多くは、「痛みがないから」「忙しかったから」と、数年間メインテナンスを受けていないケースが多いです。
② インプラント治療そのもの
インプラント周囲炎に罹患してしまう原因として、すべて患者さんに原因があるわけではありません。
例えば、
- インプラントの埋入位置・角度が適切でない
- 被せ物の形態が複雑で清掃しにくい
- セメントが歯ぐきの中に残っている
- 周囲の骨や歯ぐきの状態への配慮が十分でない
- 噛み合わせの負担が適切に管理されていない
このような要因が重なると、毎日歯磨きをしていてもプラークが溜まりやすくなり、インプラント周囲炎のリスクが高くなることがあります。
どうすれば良いのか?
インプラント周囲炎は、どこの歯科医院でも同じように治療できるわけではありません。
一般的な歯のクリーニングだけでは改善しないケースが多いです。原因を特定し、診断。必要に応じて外科的治療など、インプラント周囲炎に対する知識と経験が求められます。
「クリーニングを受けたけれど改善しない」「抜くしかないと言われた」という方でも、保存できる可能性が残されていることがあります。もし、そのように言われたら、専門医の受診をおすすめします。
インプラント周囲炎の治療例
以下に実際のインプラント周囲炎の治療をご紹介します。この方は、角下歯肉の不足とインプラントの埋入ボジションが原因でインプラント周囲炎に罹患しました。
インプラント治療の7年7か月後、インプラント周囲炎を発症している状態
インプラントの周りの骨が薄くなっています

デブライメント(インプラント周囲炎治療)
デブライメントと呼ばれる感染した組織などを物理的に除去して患部を清浄します。

骨補填剤で増生(インプラント周囲炎治療)
骨補填剤(β-TCP/ β-リン酸三カルシウム & AFG)を入れます。

FGG(インプラント周囲炎治療)
FGGと呼ばれる遊離歯肉移植を行います。上あごの内側から歯肉を採取し、角化歯肉が不足している部位に移植します。

インプラント周囲炎の治療直後
レントゲン写真で骨ができているのが確認できます

術後1年4か月
更に回復しているのが確認できます

術後7年
7年経過も安定しているのが確認できます

- 監修者情報
- 公開日:2026年07月08日

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院長の梅村です。私は、世界最先端の歯科医療を学びたいという強い思いから、100年以上の伝統を誇る米国クレイトン大学歯学部に留学しました。8年間のプログラムの中で、徹底的にプロフェッショナルとしてのトレーニングを受け、卒業後、米国歯科医師免許を取得し、帰国しました。大学では、歯科医学の基礎や臨床の学びのみならず、現在のうめむら歯科医院基本理念の礎となる、プロフェッショナルとしての考え方を身に付ける事ができました。そのおかげで、開業以来、上質な医療の提供に全力を注ぎ続ける事ができていると考えています。今後も、当院のコンセプトであるPOCをベースに、関わりある人の幸福を追及できるよう医院全体で常に成長し続けて行きます。


